端材が宝に!!~段ボールで未来を包む~③
NPOとの連携―ゴミを宝に変える
かねてから端材は再生紙にまわしてきた中川パッケージだが、どこかもったいなさも感じていた中での依頼だったので、快く承諾。大学やNPOの方が工場を訪れ、端材を見て言った「宝の山や!!」という声に、社長はショックと感銘を受けたそうだ。そこから、イベントに端材を提供し、こどもたちによって端材はいのちを吹込まれ、立派なアートへと生まれ変わった。ゴミが宝になった瞬間であった。
子ども達にイベントを通して、想像力を養うとともに、再生前にワンアクションとして利用することで、モノの大切さや環境に対する意識も向上させる。さらには、消費者に包装資材の魅力や現状を伝え、注目してもらう事がねらいだ。また、参加した従業員も最終消費者と接する機会となるため、社員のやりがいにも繋げたい。
これだけ聞くと、一石三鳥、四鳥の活動だが、課題も多いのが現実だ。一番の課題は、社長の思いは、日ごろ業務を忙しくしている社員にとって、このような活動は成果も数値で分かりやすく出てこないことに加えて、休日のイベントも多く、活動に参加できる人数は限定的になってしまう。こればかりは、継続的に活動し、社員の意識を変えていくしかないと考えているそうだ。しかし、確かに現在は、ボランティアの色も強く、継続的に行う上では、企業としてもある程度の利益がないと難しいのが、現実だ。そこで、一つの案として、端材を商品化していくことも検討しているそうだ。
収益に繋がれば、継続性も生まれる。さらには、中川パッケージでは授産施設へ資材の組み立てを頼んで、授産施設で働く方々への仕事の提供もしているのだが、品質の面で、止む無く依頼も少なくせざるを得なかった。しかし端材を商品化できれば、袋詰めなどの作業が必要となり、そのような過程を、授産施設に委託することで、そこでの雇用を守ることもできるのだ。
まだ知名度の低いイベントを通した活動ではあるが、継続的に世の中に発信することで、段ボールに注目を集め、「適正品質の見直し」をメッセージとして伝えて、社会的な変化を起こしたいと話してくれた。企業であるからには利益を求めなければならないが、会社としての存在価値を、社会貢献を通して高めていく・・・そんな中川パッケージに今後も注目していきたい。